MEMORIAL PROJECT 創立150周年記念事業・イベント

【開催報告】旧江戸川乱歩邸 完成記念セレモニーを実施

大学

2025年3月21日(金)、立教大学池袋キャンパス内にある旧江戸川乱歩邸の施設整備改修工事が完了したことに伴い、完成・祝福の祈りおよび完成記念セレモニーを執り行いました。


本改修は、立教学院創立150周年記念事業の一環として実施されたものです。江戸川乱歩(本名・平井太郎)が暮らした母屋と洋館の改修に加え、旧蔵資料を保存するための収蔵庫を新設しました。邸内には展示室を新たに設け、今後、「作家・乱歩と人間・太郎、二つの人生に出会う場」をコンセプトに、所蔵資料を展示する予定です。

※旧江戸川乱歩邸の一般公開の再開は2025年5月を予定しております。詳細は、追ってWebサイト等でお知らせいたします。

 

冒頭に行われた完成・祝福の祈りでは、参列者の皆さまが邸内の各部屋を巡りながら、改修工事が無事に完了したことに祝福の祈りを捧げました。
 

新設された収蔵庫外観
邸内各所で祈りが捧げられた

 

完成記念セレモニーでは、福田裕昭立教学院理事長、西原廉太立教学院院長・大学総長、石川巧大衆文化研究センター長が、改修工事に携わった関係者の皆さまへの感謝の意を述べました。続いて、設計・施工を担当した関連企業の代表の方々がご挨拶されました。
 

福田裕昭立教学院理事長
西原廉太立教学院院長・大学総長
石川巧大衆文化研究センター長


また、ご来賓として江戸川乱歩のご令孫である平井憲太郎さん、そして推理作家・脚本家で、2024年11月に放送されたアニメ『名探偵コナン 乱歩邸殺人事件』の脚本を執筆された大倉崇裕さんが祝辞を述べられました。
 

平井憲太郎さん

江戸川乱歩のご令孫:平井憲太郎さんご祝辞
「今日という日を迎えられたことを、感慨深く受け止めております。祖父(江戸川乱歩)がこの邸宅に移り住んだのは1934年、今から約90年前のことです。戦時中、創作活動が制限される中で、祖父はこの家で暮らしながら地域活動に関わるようになりました。そういった人々との交流が、戦後の大衆文芸作家ネットワークの形成(1947年に“探偵作家クラブ”を発足)へとつながったのだと思います。このたび、祖父の邸宅がこのような素晴らしい施設として改修されたことに、心から感謝しております。今後も、立教大学にとって意義深い施設として、末永く活用されることを願っています。」

大倉崇裕さん

推理作家・脚本家:大倉崇裕さんご祝辞

「旧江戸川乱歩邸の改修工事の完成、誠におめでとうございます。2年前、アニメ『名探偵コナン 乱歩邸殺人事件』の脚本執筆のために土蔵をはじめとする各施設を見学させていただきましたが、今回久しぶりに訪れ、見違えるほど美しくなったことに驚いております。小学生の頃に『少年探偵団』シリーズを読んだことが私の乱歩作品との出会いでした。そして大学生のときに再び乱歩作品に触れたことをきっかけに、ミステリー作家を志しました。乱歩作品がなければ、私の人生は大きく変わっていたかもしれません。
このような資料・施設が保存され、一般に公開されることで、ミステリーというジャンルが一層発展していく拠点になるのではと考えており、一人のミステリー作家として、心より感謝しております。」

セレモニー終了後、参列者の皆さまには特別に内覧会が実施され、大衆文化研究センタースタッフによるガイドを聞きながら各部屋をご覧いただきました。生まれ変わった施設や、ここでしか見られない乱歩の貴重な資料に、皆さん熱心に見入っていました。
 

旧江戸川乱歩邸は、5月の一般公開に向けて、これより内部展示の準備等を進めてまいります。公開日などの詳細につきましては追ってお知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。

 

新設された展示室を内覧する参列者たち
応接間は以前の雰囲気をそのまま再現

 

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